のぶし’s blog

トレーダー兼歯科医師の日常を綴る。

【特別編2】歯科医師のぶしの小言:歯科に対するクレームまとめてみた2

お疲れ様です!

のぶしです!

 

今日は特別編第2弾と言うことで、

ネットで見かける様々な歯科へのクレームを拾って解説をしていきますよー^^

 

ネットで検索をかけるとクレームが出てくる出てくる。。

歯科へ対する罵詈雑言。

 

多くは歯科に対すると言うよりは、各歯科医院のやり方や体制に向けてなのですが、

中には「これは確かに!」と思うものや、

 

こう言うところに疑問を持つのか〜と勉強させられることがあります。

 

私自身、来年に新規医院を開設し経営側になるのでいい勉強になります。

 

第1弾ではこんなことを取り上げました!

nobushi-fx.hatenablog.jp

 

さて、今回はですね、ネットで拾ってきたこんなクレームを紹介していきますよ〜

 

クレーム:

凄く不快な気持ちになりました。
電話で抜歯をお願いしたいとお伝えして来院したのに、いざ行くと出来ません!と言われました。
なぜ電話の時点で抜歯は出来ません。と言ってくれなかったのか?
そしたら違う歯医者に初めから行けたのに。
初診料を取るだけとり、じゃあどうします?あっ、ここしときます?みたいな…
それを電話をとった人に言うと、そうなんですねー。と…
以前行った時にしてくれた方が感じが良くて、また行こう!と思っただけに残念でした。

 

 

 

さてさて!どうですか?

皆さんの中にも同じ経験をされたことがあるのではないでしょうか?

今回の事例をまとめますと、

 

・患者本人は「即日抜歯を希望」していた。

・電話で予約した時に「できない」とは言われてない

・初診料だけ取るためではないのか?

・電話を取った方も他人事な対応・・・

 

と言った状態。

実はこう言った患者さんと歯科医院の間でのすれ違いは結構多いです。

 

まず問題なのは電話で予約を取ると必ず受付が対応します。

受付は歯科医師ではないでしょうから専門的なことは分からないし、

仮に分かっても法律上答えてはいけません。

そもそも実際に診療を行う前に診断や処置を下してはいけないと言う法律があるので、歯科医師が電話に出たとしても明確な答えはしてもらえません。

 

受付の対応でまずかったとすれば、必ず

「抜歯できるかどうかは診察後に決まるため即日の抜歯は確約できない」

と電話で伝えるべきでした。

 

そうしないと一般の患者さんは即日で処置してもらえると思い込みます。

これは抜歯以外でも当てはまります。

簡単な虫歯治療でも、例えば歯肉が大きく腫れていたり歯石・プラークが多い場合はそちらを優先する場合もあります。

 

歯を削ったり、根管治療や歯を抜くと言うのは侵襲が大きい処置です。

お口の中の細菌数が多い状態でこれらの処置を行うと、

当然傷口や処置部位に感染が起こります。

 

だってお腹を切って開ける手術は無菌室で行うじゃないですか?

口腔内では無菌状態は無理にしても、

それになるべく近づける必要があるとガイドラインでも明記されています。

 

即日で抜歯できない理由はそれだけではありません。

大抵、即日の抜歯を望む場合は痛くて仕方がないから早く抜いてくれと言う状態であることが多いです。

痛みがあると言うことは、間違いなくそこに炎症が起きている状態です。

炎症が起きた状態で歯を抜くとどうなるか・・・

 

・そもそも炎症が強いと麻酔が効きづらい

・抜歯後の出血が多い(=治りが悪い)

・もちろん抜歯後感染が起きやすい

 

と言う危険性が非常に高いです。

なので教科書的には(国家試験の問題など)まず消炎処置(投薬や消毒・洗浄)を行い、後日痛みが緩和されてから抜歯する。と習います。

 

ちなみに一昔前の国家試験でこの問題で「抜歯」を正当として選ぶと

他の問題が満点でも失格(不合格)になりますw

いわゆるドボン問題と言うやつで禁忌処置を選ぶと著しく医療者としての知識を欠いていると判断されるのです。

 

それほど「炎症中の抜歯」は禁忌処置とされている危険な行為なのです。

 

 

と言うわけで、即日で歯を抜いてくれなかったこと自体は全く悪いことではないですし、むしろ正当な処置と言えます。

初診の日はレントゲンを撮り消炎処置と口腔内の衛生状態を改善する処置のみです。

状態によりますが私もそうすると思います。

多少の炎症なら同意の上抜いちゃいますが。

 

では、この歯科医院に落ち度はなかったかと言うと、そうとも言えません。

 

・電話の時点で、まず診察の上処置を確定するため即日抜歯できない可能性を伝えていない

・診察後ドクターからなぜ即日で抜けないかを説明していない

・患者が痛いと言っている歯以外を処置するなら説明と同意を行うべきだった

 

これらがきちんと行われていれば、

こう言ったすれ違いによるクレームは出てこなかったのではないでしょうか。

 

これも歯科医師側と患者側に認識と知識の差があるから起こったものと考えられます。

歯科医からすると「炎症があるのに歯を抜いていいわけないじゃんw」と思うことでも一般的には痛いのに処置してくれなかった・・・」となるのです。

 

*解決策*

【歯科医院】

歯科医師側は患者さんの立場に立った説明を行う。

また受付も対応できるようにマニュアルを作るか指導する。

 

【患者】

そもそも電話で具体的な処置を希望しない。

病院に電話をかけてお腹痛いので手術してお腹開けてくださいとは頼まないですよね?

歯を抜くのも同じで、処置には必ず精密検査と確定診断が行われている必要があります。(病名がないのに抜歯をするとそれは傷害事件)

即日処置は基本的には諦めてください。

命に関わる場合は別ですが、命に関わるものは救急病院に送られますw

 

 

以上、気になったクレームでした!

皆さんからも取り上げて欲しいクレームや実体験で物申したいことがあればメッセージくださいね^^

 

ではでは〜