のぶし’s blog

トレーダー兼歯科医師の日常を綴る。

【特別編4】歯科医師のぶしの小言:歯科に対するクレームまとめてみた4

お疲れ様です!

のぶしです!

 

今回は、またまた歯科に対するクレーム集から気になったものを抜粋し、

解説していきます!!

 

結構反響が大きくて関連する質問とかくるんですよね。

みなさん同じようなクレームや悩みがあるということなんでしょうね。

 

私自身歯科医院のクオリティ(技術・接遇・雰囲気・器具類など)には結構差があると思っていて、ピンキリだと思います。

 

それなのに保険制度によって同じ料金なのはおかしいのでは!?

 

と常々思っております。

 

自分にあった歯科医院を探したいとみなさん思ってらっしゃるでしょうが、

なかなかぴったりの歯医者さんが見つからないんですよね。。

そもそもいい歯医者ってどういう歯医者のことをいうのでしょう??

 

腕がいいとか

待たせないとか

話を聞いてくれるとか・・・

 

色々あると思いますが、今回は「医院の衛生面」に関して。

最近はコロナをはじめとした感染症が悪い意味で注目を集めました。

 

歯科医院って常に口を開けているし心配・・・

という方も多いのでは?

 

今回はそんな歯科医院の衛生面に関するクレームです!

 

【クレーム】

グローブ(手袋)の使い回しをしていて、不衛生。
一人一人、グローブを取り替えていない。
自分の頭を掻いた手(グローブ)で口に手を入れてくる。本当に感染面が怪しい。
患者への対応、発言がデリカシーなく失礼。

 

 

さて、今回はこんなクレームをネットから拾ってきました。

今回のクレームをまとめてみると・・・

 

・グローブを患者ごとに変えていない

・医師が手袋のまま頭を掻き、そのまま口腔内に入れた

・衛生面に対する意識の低さが心配

 

 

みなさんどうでしょう?

自分が通う歯科医院の衛生状況って把握してますか?

一昔前ならあまり話題にもならなかったことかもしれませんが、

近年は非常に重視されているポイントだと思います。

 

まず、事実だけを述べますと(推奨や擁護するつもりは全くありません)

一昔前の歯科医院や大学病院でさえも歯科用のグローブは患者ごとに変えていないケースが多かったと聞いています。

私の年齢は29才なので昔のことを実際に見たわけではないですが、

年配のドクターで実際に手袋を変えずに診療を行なっているのを何度も見ています。

とある大学病院でも見たことがあります。

 

手袋をつけたまま石鹸やアルコールで消毒しそのまま次の患者へ・・・

という診療スタイルでした。

 

我々若手世代のドクターでは、考えられないですが

実際それがまかり通っていたしそこを突っ込む患者も少なかったのでしょう。

 

同様の問題として近年、衛生面に関する話題として歯科用切削器具(歯を削る器具)の使い回しが指摘されました。

 

これは、器具を患者ごとに滅菌して使う必要があるのに対し

滅菌せずアルコールなどの消毒のみで使い回されているという事実が新聞社にリークされ話題となりました。

 

その当時は、様々な意見が出ました。

多くは「そんな不衛生なこと許されない」という論調でしたが、

中には「レストランでもフォークやスプーンは滅菌してないよ?」という意見もありました。

 

さて、みなさんはどう思いますか?

確かにレストランで使うフォークやスプーンも不特定多数の方が口に入れるわけで、

ほとんどのお店では洗浄機にかけるのみで滅菌はしないですよね?

ご自宅でもそうでしょう。

 

じゃあ歯科医院の器具はどうなの?

実は、歯科医院の事例とレストランの事例は全く別問題だと認識しなくてはなりません。

 

そもそも滅菌はなんのためにするかというと、

汚れを取るためではなく、感染症を防ぐためです。

 

例えば患者Aさんは無自覚の感染症患者だったとします。

歯を削る際には、歯茎から血が出ることも少なくありません。

あるいはもともと口腔内で出血しているケースもあります。

当然そこで使用した器具は全て血液が付着しますから、感染物扱いとしなければなりません。

 

仮にその器具を滅菌せず汚れを拭き取っただけだったりアルコール清拭のみ(アルコールで滅菌はできません)だった場合、次の患者Bに使用するとどうなるでしょうか?

 

患者Bも出血していた場合傷口から簡単に・・・

 

 

という事故がいとも簡単に起こるわけです。

この場合歯科医師感染症を媒介したことになるので非常に罪深いですね。

 

今回のクレームではグローブについて指摘していますが、

グローブも同じです。

当然口腔内を触るわけですから、その際に血液・唾液が付着します。

それをそのまま他者の口に入れればどうなるかぐらい容易に想像できます。

 

現代の歯科治療で、そんなことは明確なタブーとされていて多くの歯科医院ではそんなことやってないですが、いまだにやってるところもあるということです。

 

それも悪気なく・・・です。

 

コロナが流行り歯科医院へ来院するのが憚られるという意見も多いのが事実ですが、

今の所歯科医院で集団感染は起こっていないです。

 

良い方に考えればコロナのおかげで各医院の衛生意識が高まりつつあるのではないかとも思っています。

 

「良い歯科医院」の定義の一つに衛生面を加えることを強くお勧めします。

 

・毎回グローブを変えているか

・使用ずみのグローブでいろんなところを触っていないか

・器具は毎回滅菌パックから出ているか

 

などに注目してみてください。

 

患者側の目が強くなれば、それだけ歯科医サイドも良い方向に変わらざるを得ません。

正しい取捨選択を行なって歯科医院を決定してくださいね!