のぶし’s blog

トレーダー兼歯科医師の日常を綴る。

見捨てられた患者

お疲れ様です!

のぶしです。

 

今日は久しぶりに本業に関するお話をつらつらと書いていこうと思います。

 

なぜ雇用統計のこんな時にあえて本業の話なのか…

 

でも、今後の歯科業界のお話なので、

タメになると思います。

 

良ければTwitterなどでご意見聞かせてください。

 

 

さて、タイトルにもなりました

「見捨てられた患者」

 

おそらく、ほとんどの方が

現在は歯科医院が飽和していて患者が歯科医院を選ぶものだと、お思いでしょう。

 

事実、歯科医院の数は増え続けていますが、

その割に歯科医の平均年収は下がるどころか上がっています。

 

あれ?

 

じゃあ患者が増えたの?

 

何十年前と比べれば虫歯の数も圧倒的に減っています。

 

つまり患者が増えたわけではない。

 

じゃあなんで?

 

答えは簡単、

 

儲かる歯医者と潰れる歯医者に二極化したことです。

 

特に都会においては。

 

儲かるところは、こっそり大儲けしています。

 

潰れた歯科医院ばかりが表沙汰になっていますが、その陰でこっそり大儲けしているのです。

 

なぜそうなったかというと、

都市部では情報が溢れ、交通の便もすこぶるよくなりました。

 

患者が、良い歯科医院を選んで足を運ぶことが出来る様になったんですね。

 

少し前までは、近くの歯医者が「良い歯医者」でした。

 

患者側も同じお金を払うなら少しでも綺麗で腕のいい歯科医に診てもらいたいに決まっていますよね。

 

都市部だけでなく、田舎でもこの傾向が見られます。

 

もちろん未だに歯科医過疎地域がたくさんありますから、そういった地域には当てはまらないでしょうが。

 

私がお話ししたいのは、

そう遠くないこれからのお話です。

 

実は皆さんが払っている国民保険料の約7%が歯科治療の保険適用に当てられています。

 

たった7%と捉えるか

7%もと捉えるかはおまかせしますが、

 

真実だけを述べると、歯科医師が保険治療だけを行えば間違いなくその医院は潰れます。

 

保険治療はやればやるほど赤字だと思ってください。

 

使う金属などの材料費値上げ、人件費、光熱費、施設維持費を考えれば虫歯1本数百円(3割負担で)では割に合わないのです。

 

当然ですよね。

 

じゃあなんで、儲かる歯科医院があるのか、

 

当然ながら自費治療が経営を支えているからです。

 

自費専門の歯科医院も最近では珍しくありません。

 

その背景には、歯科に割かれる保険料が年々減っていることと、近い将来歯科部門は保険適用から外されるという避けられない事実があるからです。

 

つまり、歯科治療は全て10割負担になります。

普段歯科医院に通ってる方は今のお値段が3倍以上になると思ってください。

 

そうなると、困るのは誰でもない患者です。

 

さて、それに伴いどう変化するでしょうか

 

まず歯科医は自費治療のみになるので、治療価格を他院と競争することになります。

 

また、コストパフォーマンスを考えると簡単な症例で、かつちゃんとメンテナンスに通ってくれて自分の治療した部位が長持ちしてくれる患者を好みます。

 

つまり深くない虫歯の患者で、しっかり日頃からお掃除している方の方が治療は簡単だし時間もかかりません。

 

逆に大きな虫歯で歯の神経から治療しなければならなかったり、抜歯してどうこうとなると時間も材料も人手も取られます。

 

かつ、そういう人は手入れしないのでせっかく入れたものもすぐダメにします。

 

そうなるとあそこの歯科医院はダメだという口コミが広がり、医院のマイナスになったりクレーマーや訴訟など無駄なリスクが高まります。

 

つまり保険治療という安価で治療とは呼べない(私は常々患者にそう言っている)ものが消えると患者が医師を選ぶのではなく、

医師が患者を選ぶ世界に変換します。

 

同じ患者ならちゃんと綺麗に使ってくれる患者が良いに決まってるじゃん!

 

これが本音です。

 

さっきの患者と医師の立場が逆転しましたね。

 

「あなたの口はうちでは診れません」

 

そう言われる日がいずれ来てしまうかもしれません。

 

保険(安いの)でいいからやれ!

 

と言う患者が居ますが、

 

セラミックやジルコニアよりも保険の金属治療の方がお金がかかるようになります。笑

 

都会ではどの歯科医院にいっても、

治療を拒否され始めます。

だってそうなったら歯科医儲かるもん。

わざわざリスク高いあなたの口は誰も見てくれなくなります。

 

見てくれるのは腕のない、今にも潰れそうな歯科医院だけです。

 

さて困りました。

 

患者側はどうすればいいでしょうか

 

患者側にできるのは1つ。

 

治療にお金をかけるのではなく、

予防やメンテナンスを自費で受けてください。

 

自費の予防歯科やメンテナンスでは、

 

歯磨き指導、歯石取り、プラーク除去、フッ素塗布、咬合調整を行います。

 

時間も数十分ではなく1時間徹底的に指導から行います。

 

根本から歯磨きの仕方と歯に対する意識が変わると思います。

 

もちろん定期的に通院して自費のメンテナンスをうけます。

 

結局金かかるじゃん…

と思ったあなた!

 

歯科で治療せず生涯を終える方は世の中の何%か知っていますか?

 

死ぬまでに治療する側に入ってしまう自信がある方は治療にお金をかけず、予防にお金を割いてください。

 

海外では皆保険制度はありませんので、皆これが習慣になっています。

 

歯科医院は治療をするところではないのです。

 

概念から全く異なります。

 

その代わり、メンテナンスを必死にやっても虫歯になった場合は、その歯科医院がキッチリ責任を持って治療してくれます。

 

しかもメンテナンスしているということは、虫歯が見つかった時点でかなり小さいはずです。

 

あ、よく勘違い患者がいるのですが、

 

メンテナンスしてるのに虫歯になった=歯科医院のせい

 

では全くありませんからね。笑

 

人生の時間のうち歯科医院でお掃除した時間は何%ですか?

 

残念ながら虫歯は100%あなたの責任です。

 

ただ、虫歯になりにくくはしてあげられます。

 

その手伝いをするだけです。

 

海外のデータからも治療にお金をかけるより予防にお金をかける方が結局かかる費用はダンチで安い事が分かっています。

 

また、歯科医院に見捨てられることもありません。

 

医師たるもの患者を見捨てるとは何事だ!

と聞こえてきそうですが、それは他人に夢を見過ぎです。

 

残念ながらあなたの人生と自分や家族の人生は比べるまでもなく後者を優先します。

 

あなたもそうでしょ?

 

なので政治家に給付金を期待するのはやめましょう。

彼らも自分のことが第一です。

当然ですよ。

聖人君子じゃあるまいし。

 

ただ、少なくとも僕は自分の口に興味を持って、必死に頑張ってる方を見捨てることは絶対しないです。

 

むしろそういう方ばかりを集めて歯科予防軍団を作りたいと思っています。

 

みんなで予防。

 

自分の歯が今何本あるのかも知らない。

 

そんな方はご注意を。

 

 

誰からも相手にされなくなり、

歯がなくなっていく

 

そんな時代がもう目の前に…あるかも。笑

 

以上、歯科医の

「本当にあるかも?歯科の怖い話」

でした。