のぶし’s blog

トレーダー兼歯科医師の日常を綴る。

【特別編5】歯科医師のぶしの小言:歯科に対するクレームまとめてみた5

お疲れ様です!

今年もいよいよ残すところあと僅かとなりましたね!

今年の初めに立てた目標はしっかりと達成できたでしょうか?

 

 

 

 

さて、今日の記事は特別編!

もうシリーズ化してしまいましたが歯科医院へのクレームをまとめてみた!

そして解説していく!

というもの!笑

 

結構評判が良くてツイッターのDMなどで共感する声や質問が毎回寄せられます!

みなさん結構同じような苦情をお持ちのようです!

 

さて、今日のクレームもネットで拾ってまいりました!

内容は・・・

 

「先日、初診で歯医者さんにかかった際、虫歯をとって銀の詰め物をすることになりました。その日は型を取り後日銀の詰め物を入れましたが、詰め物を入れるときは担当の歯医者ではなく衛生士(歯科助手さん?)でした。名札には衛生士とも助手とも書いてなかったですが医療行為を衛生士が行なってもいいのですか?非常に不愉快でした。」

 

 

 

ふむふむ・・・。

これって結構みなさんも思ったことあるんじゃないですか??

ズバリ歯科衛生士の業務範囲ってどこまでなの・・・??

 

ということで、まずはみなさんにクイズです。

以下の選択肢のうち、歯科衛生士が「絶対にやってはいけない」ものはどれ?

*複数解答あり

 

インフォームドコンセント

②浸潤麻酔(注射のやつ)

③入れ歯の装着

④レントゲン撮影

⑤仮の詰め物除去

歯周病検査(歯周ポケット深さ)

⑦インレー(詰め物)やクラウン(被せ物)の調整

⑧血圧測定

⑨型取り

⑩服薬指導

 

さて、どうでしょうか?

医療従事者の方でもはっきり答えられない方も多いのではないでしょうか?

患者の皆様はご自身の経験に照らし合わせて答えてみてください!

 

 

 

 

 

 

では、正解は・・・

 

 

インフォームドコンセント

②浸潤麻酔(注射のやつ)

③入れ歯の装着

④レントゲン撮影

 

1〜4でした!

正解できましたか?

この4つは絶対的医療行為であり、

「絶対に」やってはいけないものとされています。

 

 

ん?「されています」って誰が言ってんの?

これは歯科衛生士法という法律や各歯科学会内で定めたものを反映しています。

つまりこれらを歯科衛生士が行なった場合、「違法行為」となり責任者が罪に問われます。

 

 

え!

じゃあ逆に他の6つは、やっていいの??

 

 

実は、他の6つは「相対的医療行為」となっており

研修を受けた衛生士あるいは医師が可能と判断した場合に認められます。

 

これは非常にグレーゾーンなのですが、

明確に法律で禁止されているわけではありません。

 

というのも、医療の現場で全てを画一的に法で制限してしまうと、

患者が不利益を被るのです・・・。

やんわり「まぁ・・・禁止はしないけど歯科医師がちゃんと責任持ってね?」とされているんですね笑

 

つまり何かあったら歯科医師が罪を問われるのは同じです笑

 

 

 

 

あれ!でも先生!

俺、衛生士にレントゲン撮ってもらったことある!!

あれは違法行為だったんですか!!!!

 

 

ふむ。

実はそこもグレーゾーンが潜んでいて、

歯科医師の指示下にて行なった場合はその限りではない」

とされています。

 

つまり、

「レントゲンのボタンだけは歯科医師が押した!」

とか

「ボタンを押すときに歯科医師が見ていた!」

とか色々逃げ道があるんですね〜・・・

 

どこまでが、歯科医師の指示下なんて明記されていませんから、

結局は今回の4つの解答もやりようによっちゃあ誤魔化せてしまうんですね・・・

怖いです。

もちろんそんな歯医者ないと思いますが・・・

 

 

さて、では本題。

今回のクレームにあった「詰め物の装着」はどうでしょうか?

 

上の問題では、「インレー(詰め物)やクラウン(被せ物)の調整」はOK

となっていました。

 

しかし、接着剤で装着することは禁じられています。

なので、今回のクレーム先の医院はアウトです。

 

でも、多くの歯医者さんでは詰め物を調整・研磨するところまでは衛生士が行い、

くっつけるのだけ歯科医師がやるというのはよく見かけます。

 

これは「法律的」にはOKとなります。

もちろん解釈の違いや、状況によって変わりますが。

 

結局医療現場においては、しっかり定めれていることの方が少ないんですね。

現場の臨機応変な対応に任されるわけですが、悪く捉えれば好き勝手やれちゃうわけです。

 

 

 

では、歯科助手がやった場合はどうでしょう?

そもそも歯科助手と歯科衛生士って何が違うんでしょう?

 

いいですか?

全く違います!笑

一緒にすると衛生士さんがかわいそうなくらい違います。

 

衛生士さんは国家試験を受け、国家資格を有しています。

歯科助手は、無資格でできますので、そこらを歩いている大学生をバイトで雇ってもいいわけです。

 

したがって助手さんが行えるのは、あくまで助手作業。

歯科機材を運んだり、床を掃除したり、洗濯したり、洗い物をしたり・・・

とにかく医療行為(絶対的・相対的)全てを行うことはできません。

 

歯科助手が詰め物を調整したり、レントゲンを撮ったりすると紛れもなく違法行為となりますので、ご注意ください!笑

 

 

とはいえ、現在歯科衛生士さんの数が相対的に非常に少なく、

歯科助手さんで運営を回している医院も少なくありません。

違法行為は当然NGですが、歯科助手さんの存在も非常にありがたいものなんです。

私も毎日お世話になっております。

 

 

患者さんの中には、そんなのあんまり気にしない!

うまくやってくれれば衛生士さんがやってもいい!

とおっしゃる方もいます。

実際、歯科医師より上手くやる衛生士なんてたっくさんいます。笑

でも、患者側がちゃんと線引きを理解しておく必要があるでしょうね。

 

どうしても、気になる方は治療前に歯科医師に問い合わせてくださいね。